諸国神社めぐり

二荒山神社(宇都宮市馬場通り〈ばばどおり〉)

宇都宮二荒山神社鳥居
二荒山神社(ふたらやまじんじゃ)は,JR(東北本線)宇都宮駅の西1.2キロメートルに鎮座する。
創立時期は不明であるが,社伝によると,仁徳天皇の御代,奈良別王(ならわけのきみ)が下毛野国の国造に任ぜられ,祖神の豊城入彦命(崇神天皇の御子)を荒尾崎(現在の境内摂社下之宮あたり)に祀ったのが起源とされる。(創立期について,一説に,豊城入彦命が東国に派遣された時に諸神を祀ったのが起源ともいう。)
その後,承和五年(838)に社殿が現在地(臼ケ峰)に遷され,以後,「下野国一の宮」として崇敬を集めた。
天正十三年(1585)北條氏直の兵火によって焼失して以後,衰微した。
江戸期に至り,幕府や宇都宮藩による保護を受けて再興した。しかし,町割の際,社地が南北に分割され,本社と下之宮が離れた。
祭神について諸説紛々であったが,現在は豊城入彦命を主祭神とし,大物主命と事代主命が配神とされている。
明治期,『延喜式』(神名帳)所載の「二荒山神社」の同定について,日光の二荒山神社と当社との間に争いがあり,明治十二年(1879),両社とも「式内外未定」と裁定された。

宇都宮二荒山神社参道宇都宮二荒山神社神門
長い参道の上に神門がある。
宇都宮二荒山神社拝殿宇都宮二荒山神社拝殿
社殿は,慶長十年(1605),家康の命によって改築されたが,その後しばしば火災によって全焼した。
現在の社殿は明治十年(1977)の再建である。
宇都宮二荒山神社本殿宇都宮二荒山神社本殿
本殿は銅板葺きの神明造である。

宇都宮二荒山神社境内末社の女体宮宇都宮二荒山神社境内末社の十社宇都宮二荒山神社境内末社の市神社と須賀神社
本殿の向かって左横に女体宮(三穂津姫命)が祀られている。本殿の玉垣に社殿が付いた珍しい様式である。
その奥には十社(素盞嗚尊,天兒屋根命,味耜高彦根命,武甕槌命,豊城入彦命,大山咋命,事代主命,下照姫命,譽田別尊,日本武尊)がある。
また初辰稲荷神社(倉稲魂命),東照宮(徳川家康公)もある。
社殿を挟んで反対側には市神社(大市姫命)と須賀神社(素盞嗚尊)がある。
宇都宮二荒山神社境内の菅原神社,十二社,剣宮宇都宮二荒山神社境内の松尾神社,荒神社,水神社
神門の下には菅原神社(菅原道眞公),十二社(国常立神,国狭槌神,豊斟渟神,泥土煮神,沙土煮神,大戸道神,大戸邊神,面足神,惶根神,伊弉諾神,伊弉冉神,天照大神,天忍穂耳神,彦火瓊瓊杵神,彦火火出見神,鵜茅葺不合神),剣宮(素盞嗚尊),松尾神社(大山咋命,中津島姫命),荒神社(素盞嗚尊),水神社(罔象女大神)が並んでいる。

宇都宮二荒山神社鳥居(夜)

(栃木県宇都宮市馬場通り1丁目)
2016.11.27-28


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