諸国神社めぐり

原田神社(豊中市中桜塚〈なかさくらづか〉)

豊中市中桜塚の原田神社社頭
原田神社は,阪急電鉄(宝塚線)岡町駅の東に鎮座する。
社地の周囲には4世紀から6世紀にかけて造営された古墳が点在する(桜塚古墳群)。
創立年代は不明であるが,古墳時代から続く神霊の地であろう。
天武天皇の白鳳十二年(684),疫病退除の詔勅が当社にくだり,効験によって天皇が神宝等を奉祀し,以後「大宮」と称された。
鎌倉時代以降は牛頭天王信仰と習合して栄え,東は榎阪町(吹田市江坂),西は富松(尼崎市)に及ぶ七十二村の産土神として広く信仰を集め「西牧社」と呼ばれた。
天正六年(1578)に兵火によって社殿等が焼失したが,慶安五年(1652)に再建された。これが現在の本殿である。
「牛頭天王社」「祇園社」などと称されたが,貞享二年(1685)に「原田大明神」と改称した。
主祭神は素盞嗚尊である。
昭和十六年(1941),府社に列せられた。
豊中市中桜塚の原田神社拝殿豊中市中桜塚の原田神社拝殿内部
拝殿の奥に本殿が見える。
豊中市中桜塚の原田神社本殿
江戸時代前期の建築である本殿は,五間社流造で,屋根は檜皮葺である。
千鳥破風と軒唐破風を持つ。平成五年(1993)に国の重要文化財に指定された。

豊中市中桜塚の原田神社境内摂社の十二神社
境内に十二神社(祭神は國常立命など)がある。
原田神社摂社十二神社本殿豊中市中桜塚の原田神社境内摂社の十二神社社殿
檜皮葺の三間社流造の十二神社の社殿は,17世紀初頭あるいはそれ以前の建築と推測される(天正の兵火を免れたという)。
一部の部材は後世のものに代わっているものの,所々に桃山時代の様式を残している。
建築当初の極彩色の痕跡が確認できるという。
豊中市中桜塚の原田神社境内摂社の神明社豊中市中桜塚の原田神社境内摂社の小宮
摂社の神明社(天照大神)と小宮(伊邪奈美尊,天児屋根命,應神天皇,菅原道眞)。
豊中市中桜塚の原田神社境内摂社の稲荷神社豊中市中桜塚の原田神社境内摂社の稲荷神社社殿
鳥居が鮮やかな稲荷社(宇賀御魂神)。

(大阪府豊中市中桜塚1-2-18)
2016.7.23


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