諸国神社めぐり

伊佐具神社(尼崎市上坂部〈かみさかべ〉)

尼崎市伊佐具神社社頭
伊佐具神社(いさぐじんじゃ)は,JR(福知山線)塚口駅の東500メートルに鎮座する。社地の南に「住の堂公園」がある。
当社の創立年代は不詳であるが,『延喜式』(神名帳)の「伊佐具神社」(攝津國河邊郡七座の一)に比定される古社である。
境内の「由緒」によると,祭神は,五十狭城入彦尊(いさぎいりひこのみこと)ほか二柱(神名不詳)である。
五十狭城入彦尊は景行天皇の第十皇子で,兄の日本武尊とともに諸国平定に尽力し,このあたりに領地を得たとされる。
主祭神の他,宮八幡宮,金刀比羅神社,愛宕神社,天満宮を配祀する。
明治六年(1873)郷社に列せられた。
尼崎市伊佐具神社拝殿尼崎市伊佐具神社拝殿破風
拝殿の破風の下に「伊佐具神社」の額があり,その左右に金刀比羅神社,天満宮,宮八幡宮,愛宕神社の額が並んでいる。
尼崎市伊佐具神社拝殿内部

尼崎市伊佐具神社境内の稲荷神社伊佐具神社境内の稲荷神社の額
境内に白龍稲荷神社が祀られているが,これは元は福円山浄徳寺(真言宗)である。明治期の神仏分離政策に従い,観音像を他所に移し,仏堂を稲荷神社としたのである。

尼崎市伊佐具神社境内の石塔尼崎市伊佐具神社境内の石塔
境内の石塔は赤松円心(1277-1350)らの墓とされる。
円心は倒幕を掲げて挙兵した後醍醐天皇(1333年,元弘の変)に応じて戦った守護大名で,当社の近くに布陣して当社に戦勝祈願したと伝える。

尼崎市伊佐具神社境内

(兵庫県尼崎市上坂部3-25-18)
2016.7.23


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