神須牟地神社(かみすむちじんじゃ)は,JR(阪和線)長居駅の西500メートルに鎮座する。
創立年代は不詳であるが,『延喜式』所載の古社(摂津国住吉郡二十二座の一)である。この地域に居住した住道首(すむちのおびと)の祭祀が起源であろう。
初めは住吉大社の北に鎮座したが,天平元年(729)に現在地に遷ったとされる。
祭神は神須牟地大神,少彦名命,素盞嗚尊,神産霊神,手力雄神,天兒屋根命で,住吉大神を配祀する。さらに相殿に天日鷲命,大己貴命,宇迦魂命を祭る。
明治五年(1872)に村社に列せられた。
明治四十年(1907),字播磨田に鎮座した境外末社の多米神社(祭神は天日鷲命で,稲倉魂神と保食神を配祀する)を合併した。多米神社もまた『延喜式』に載る古社である。
本殿の横に「神須牟地社」と刻された石碑が建っている。当社の衰微を憂慮した徳川幕府が元文元年(1736)に建てたものである。
境内の農神社(大己貴命)は,字農神に鎮座したが,明治四十年,当社に合祀された。
参道に二対の狛犬が置かれている。
(大阪府大阪市住吉区長居西2丁目1-4)
2014.7.17