諸国神社めぐり

服部天神宮(豊中市服部元町〈はっとりもとまち〉)

豊中市服部元町の服部天神宮社頭
服部天神宮は,阪急宝塚線の服部天神駅の東に鎮座する。参道の前の道路は「能勢街道」という古道である。
往古この一帯には,機織りの技術を伝えた渡来人(秦氏)が多く住み,少彦名命を信仰していた。これが当社の起源である。
延喜元年(901),讒言によって九州に左遷となった菅原道真公が近くを通ったが,この時,足の病(脚気)に悩んでいた。
道真公は,医薬の神である少彦名命の小祠に祈願し,また近くにあった藤原魚名(ふじわらの うおな)を祀る五輪塔にも祈願し,足の恢復を得て九州へ下向したという。
藤原魚名は,桓武天皇に仕えて左大臣に至ったが,突然免官され太宰府に左遷された。太宰府に向かう途中,魚名はこの付近で発病し,療養したと伝える。道真公は,我が身を藤原魚名公に重ね合わせ,悲嘆して供養したとされる。
現在も当社の境内には「川辺左大臣藤原魚名公の墓」とされる石塔がある。
道真の没後は,少彦名命に加えて菅原道真公が祭神に加えられた。
以上の由緒により,当社は「足の神様」として崇敬を集めている。
豊中市服部元町の服部天神宮社殿
拝殿の前にテントが張ってあり,日射しや雨を避けることができる。
豊中市服部元町の服部天神宮本殿豊中市服部元町の服部天神宮社殿(背後)
本殿は文政十年(1827)の建造である。

豊中市服部元町の服部天神宮境内豊中市服部元町の服部天神宮境内の藤原魚名公の墓
招魂社,祖霊社を左右に,藤原魚名公の墓が祭られている。
豊中市服部元町の服部天神宮境内
境内には末社として,豊中えびす社,初酉稲荷神社,十二支稲荷社がある。

豊中市服部元町の服部天神宮東参道入り口豊中市服部元町の服部天神宮東参道
東側の参道入り口は国道176号に面している。

(大阪府豊中市服部元町1丁目)
2013.8.12

足の神様・服部天神宮(公式サイト)


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