八王子神社は,近鉄(大阪線)恩智駅の南南東1.2キロメートルに鎮座する。
『延喜式』(神名帳)の「常世岐姫神社」(河内國大縣郡十一座の一)に比定される古社である。
「常世岐」は,ツネヨキ,あるはトコヨキと読まれる。
明治になって正式名称が「常世岐姫神社」とされたが,今でも旧称の「八王子神社」で親しまれている。
朝鮮から渡来してこの地に住んでいた茜染を専門とする技術者集団(赤染氏)が,壬申の乱の功績によって「常世」姓を賜ったという古記録がある。常世一族が祖神として祭ったのが当社の発祥であろう。
「八王子」とは牛頭天王の八柱の御子神であるが,当社の北600メートルに牛頭天王(八坂神社)(恩智神社頓宮)が鎮座する。なんらかの関連があるのかもしれない。
拝殿には祭神の常世岐姫を描いた額が掛けられている。
拝殿の背後に本殿(覆屋)が建っている。
境内に小祠が建っている。
鳥居の奥に建つ小祠には「白王姫大明神」「峯近大明神」とあるが,詳細は不明。
右の小祠は金刀毘羅神社である。
(大阪府八尾市神宮寺5丁目)
2012.6.14