諸国神社めぐり

綱敷天神社(大阪市北区神山町〈かみやまちょう〉)

綱敷天神社
綱敷天神社(つなしきてんじんしゃ)は,JR大阪駅の東約700メートルに鎮座する。社地は阪急東通商店街の奥である。商店街は深夜までにぎわう,いわゆる「キタ」の大繁華街であるが,社地は意外に閑静である。
当社の伝える由緒によると,弘仁十三年(822),行幸途中の嵯峨天皇がこの地に宿泊し,天皇崩御後の承和十年(843年)に皇子の源融(みなもとのとおる)が天皇を祀る社殿を創建して「神野太神宮」と称したのが当社の発祥である。
これとは別に,延喜元年(901年),左遷されて太宰府に向かう菅原道真公がこのあたりを通り,満開の紅梅を見たという。道真公の没後は「梅塚天満宮」と称する小祠を建て,その霊を祀ったという。
この後,正暦四年(993)に神野太神宮と梅塚天満宮を合祀して「喜多埜天神社」とした。
以上の経緯により,祭神は嵯峨天皇と菅原道真公である。
(合祀される前の梅塚天満宮に相当する神社として,茶屋町に綱敷天神社 御旅社が鎮座する。)
なお,「綱敷」の語は,道真公が梅をめでた際,船の艫綱で円座を作って敷物としたことに由来するという。
綱敷天神社拝殿正面綱敷天神社本殿
現在の社殿は昭和三十一年(1956)に再建されたコンクリート製である。

綱敷天神社境内の喜多埜稲荷神社
鳥居をくぐってすぐの左手に喜多埜稲荷神社の社殿が建っている。戦火のため記録が失われて由緒は不明である。
現在は商売繁盛の神としてキタの繁華街や周辺の会社経営者の崇敬を集めている。
白龍大神と猿田彦大神の社殿
稲荷神社と向き合う位置に白龍大神と猿田彦大神を祭る社殿がある。もとは喜多埜稲荷神社の裏手にあったが,社地整理にともない,この場所に遷された。

(大阪府大阪市北区神山町9-11)
2009.3.24

綱敷天神社(公式サイト)


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