諸国神社めぐり

猪名津彦神社(伊居太神社境内)

猪名津彦神社
猪名津彦神社は,池田市の伊居太神社の参道の途中に祭られている。
祭られているのは阿知使主(あちのおみ)と都加使主(つかのおみ)の父子二柱である。
この二人は中国後漢王室の末裔で,応神天皇の御代に戦火を避けて我が国に渡来したとされる。
のち,天皇は二人を中国に派遣し,二人は長江下流の呉地方に至り,機織・縫製の技術をもつ四媛を伴って帰朝したという。
仁徳天皇は父子に猪名の地を与え,織殿,縫殿を建てて技術の普及伝播につとめさせたという。
父子の死後,反正天皇はその功績を顕彰するため,神社を創建して二人を祭ることにしたという。
はじめ鎮座地は当社の南方1.5キロメートル,池田市宇保町であった(宇保町の猪名津彦神社)。ところが文化年間(1804-17)に阿知使主の墳墓が盗掘されたため,石棺の破片や人骨を集めてこの場所に遷したとされる。
猪名津彦神社猪名津彦神社
社殿の前に積まれているのは石棺の破片であろうか。

猪名津彦神社狛犬(吽形)猪名津彦神社狛犬(阿形)

『延喜式』の「爲那都比古神社」に当社を当てる説もあるが,箕面市石丸にも為那都比古神社がある。現在は箕面市の為那都比古神社を式内社とする見解の方が優勢のようである。

(大阪府池田市綾羽2丁目)
2008.2.18


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