諸国神社めぐり

高津宮境内の比売古曽神社(大阪市中央区高津〈こうづ〉)

比売古曽神社(高津宮境内)
比売古曽神社(比賣古曾神社;ひめこそじんじゃ)は,高津宮の境内に鎮座する。
現在,高津宮が鎮座するこの場所には,もともと比売古曽神社だけが祭られていたが,大阪城築城のため高津宮がここに遷され,そのさい高津宮が本社となり,もともと鎮座した比売古曽神社が摂社となったという。
祭神は下照姫命である。『古事記』によると,下照姫は大国主神の娘である。
また『日本書紀』巻六(垂仁天皇)に次のような説話が見える。

意富加羅国(おほからくに;朝鮮半島南部)の王子の都怒我阿羅斯等(ツヌガアラシト)の牛がいなくなり、探したが既に食べられていた。
牛の代償に白い石をもらい、家に置いたところ、それが美女になった。女は逃げ、海を越えて日本国に行き、難波・豊後の比売語曾(ヒメゴソ)神社の神となった。ツヌガアラシトも女を追って日本に来た。

これによると,当社の祭神は朝鮮渡来の神のようでもある。
なお,美女を追って渡来したツヌガアラシトを祭る神社が,福岡県香春町にある(→現人神社〈あらしとじんじゃ〉)。
比売古曽神社(高津宮境内)

なお,『延喜式』(神名帳)に「比賣許曾神社」(明神大社)があり,現在は東成区東小橋3丁目の比売許曾神社がそれに比定されているが,高津宮境内の当社を式内比賣許曾神社とする説もあったようである。

(大阪府大阪市中央区高津1丁目,高津宮境内)
2007.11.20


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