諸国神社めぐり

住吉大社(大阪市住吉区住吉〈すみよし〉)

住吉大社反橋
住吉大社は,大阪市の南部,住之江区と住吉区の境界に鎮座する。
当社は,全国に2000余社ある住吉神社の総本社に位置づけられ,福岡市の住吉神社,下関の住吉神社とともに「三大住吉神社」と称される。
祭神は,黄泉の国からもどった伊弉諾尊が穢れを払うさいに海中で生まれた「住吉三神」,すなわち底筒男(そこつつのを),中筒男(なかつつのを),表筒男(うはつつのを),それに加えて住吉神の助けを得て朝鮮(新羅)を攻略した息長足姫命(おきながたらしひめ,神功皇后)の計四神である。(住吉三神誕生の地は福岡市の住吉神社だとされている。)
四神それぞれが「住吉造」と称される古風な様式の本殿に祭られている。

住吉鳥居から第三本宮
反橋(そりばし)を渡ると,石の鳥居越しに第三本宮(表筒男命を祭る)の拝殿が見える。
角柱の柱が「住吉鳥居」の特徴で,本殿前にも類似の鳥居が見られる。

住吉大社第四本宮住吉鳥居
神功皇后を祭る第四本宮は第三本宮の右に並んでいる。
拝殿の奥を覗くと,本殿の前に朱塗りの鳥居が見える。柱が四角で,貫(ぬき)が外に出ていない。これが「住吉鳥居」と呼ばれる独自の様式の鳥居である。境内社の若宮八幡宮の石鳥居も類似の形である。
この形状が住吉鳥居の本来の形とされ,第三本宮の手前に建つ石鳥居も柱が四角である。ただし石鳥居は貫が外に出ており,典型とは異なる。

住吉大社第二本宮と第三本宮
手前から第二本宮と第三本宮。この手前に第一本宮がある。三つの社殿が海に向かって一直線に並ぶ独特の配置である。(創立当時,このあたりが海岸であった。)
第四本宮を含め,四つの本殿はいずれも文化七年(1810)の建築で,国宝に指定されている。

住吉大社第一本宮拝殿正面
一番奥に建つ第一本宮(底筒男命を祭る)の拝殿。背後に住吉造の本殿がある。

住吉大社第三本宮の千木住吉大社第四本宮の千木
第三本宮(表筒男命)と第四本宮(神功皇后)の屋根。千木の「削ぎ」が異なる。

四座の本宮のほか,広大な境内に船玉社若宮八幡宮などの摂社,末社があり,また境外にも浅沢社(弁天さん)などの関連する神社が点在する。

(大阪府大阪市住吉区住吉2丁目)
2007.11.20


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