諸国神社めぐり

先宮神社(諏訪市大和〈おわ〉)

先宮神社境内入り口
先宮神社(さきのみやじんじゃ)は,JR上諏訪駅の北800メートルに鎮座する。
古くは「新海宮社」「鷺宮」「鵲宮」などとも称した。
祭神は高光姫命(たかてるひめ)で,別名が稲背脛命(いなせはぎ)だという。
当社の神は,諏訪の原始の神で,建御名方神すなわち諏訪大社の神が諏訪に入る時に,一度は抵抗したが屈服し,この社地から出ないことを誓ったという。つまり,アマテラスが遣わした武甕槌命(建御雷命)に追いつめられ服従させられた建御名方神の逸話と酷似する話の筋なのである。
高光姫の別名だとされる稲背脛命は,国譲りを迫る武甕槌命と,それに抵抗する大国主命の間を仲裁した神としても活躍しており(備中神楽など),高光姫とは別の神ではないかと思われる。
由緒には不明な点が多いが,いずれにしても古い土着の祭祀が起源であろう。

先宮神社社殿正面
先宮神社拝殿正面先宮神社拝殿内部
拝殿の外にも内にも彫刻が施されている。
先宮神社本殿
本殿は流れ造りの一間社である。

先宮神社境内の欅
境内のケヤキの巨樹は樹齢六百五十年と推定され,諏訪市の文化財に指定されている。

(長野県諏訪市大和3丁目)
2009.8.27


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