諸国神社めぐり

櫟谷宗像神社(京都市西京区嵐山中尾下町〈あらしやまなかおしたちょう〉)

櫟谷宗像神社参道
櫟谷宗像神社(いちたにむなかたじんじゃ)は,阪急電鉄(嵐山線)嵐山駅の南200メートル,桂川右岸に鎮座する。嵐山の東麓の渡月橋を見下ろす高台が社地である。
『延喜式』(神名帳)に「櫟谷神社」(葛野郡二十座の一)として記載される古社である。
「櫟谷」の訓は,『延喜式』の古写本によると「イチヒタニ」「イチヰタニ」あるいは「イチイタニ」である。
創立の時期は不明であるが,大宝年間(701-704)から鎮座するとも伝える。
『続日本後記』(巻第十八)の嘉承元年(848)の記事に「十一月丁巳朔戊午、奉授筑後國正五位下高良玉垂神從四位下、山城國无位櫟谷神從五位下」と当社の神名が見える。
櫟谷宗像神社社殿
櫟谷宗像神社本殿
今は宗像神社(左)と櫟谷神社(右)が相殿形式で祀られているが,室町期の絵図には二つの独立した社殿が描かれている。
現在の祭神は,櫟谷神社が奥津嶋姫命,宗像神社が市杵嶋姫命とされているが,明治期の「神社明細帳」などの文献では祭神が逆になっている。

櫟谷宗像神社社号標
当社は早くから松尾大社の末社となり,「松尾三社」あるいは「松尾七社」と称されている。
参道の入り口の石標に「官幣大社松尾神社攝社 櫟谷宗像両神社」とある。

(京都府京都市西京区嵐山中尾下町61)
2019.9.25


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