諸国神社めぐり

鵺大明神(上京区主税町〈しゅぜいちょう〉)

鵺大明神
鵺大明神(ぬえだいみょうじん)は,二条公園(二条城の北西)に鎮座する。公園の北,道路に面して小祠が建っている。
当社は,『延喜式』(神名帳)の「大宮賣神」(御巫祭神八座の一)ともされ,『式内社調査報告』(1979年)は「大宮姫大明神」のゆかりの神社として掲載し,「いつのころからか稲荷大明神と稱せられ」とする。「鵺大明神」の名称にはまったく言及がない。
しかし現在は社殿の額に「朝日大明神 玉姫大明神 鵺大明神」と書かれており,「鵺」はあるが「大宮姫」は見えない。
この一帯は平安京の神祇官西院の故地とされ,明治の初めまで『延喜式』所載の「宮内省坐神三座(園神社,韓神社二座)」の遺址などがあったという。しかしその後,監獄の敷地となり,さらにNHKの敷地となり,旧観をまったく失った。当社もいったん衰微(廃絶?)して再興されたのであろうか。
鵺大明神
当社が「鵺池」の近くにあることからいつのまにか「鵺大明神」と呼ばれるようになったと思われる。

鵺大明神遠景
近衛天皇の時(1139-1155),鵺という怪鳥が都を騒がせ,源頼政(1104-1080)がこれを弓で退治し,血の付いた矢をこの池で洗ったことから「鵺池」と呼ばれるようになったと伝える。

(京都府京都市上京区主税町964)
2018.12.18


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