諸国神社めぐり

福長神社(上京区福長町〈ふくながちょう〉)

福長神社社頭
福長神社(ふくながじんじゃ)は,地下鉄(烏丸線)今出川駅の南西230メートルに鎮座する。
社号は,福井神(さくいのかみ)と綱長井神(つながいのかみ)を祀ることによる。
稲荷神も合祀されているので「福長稲荷」とも呼ばれた。
この二柱の神は『延喜式』(神名帳)所載の「座摩巫祭神五座(イカスリノカムナキノマツルカミ)」のうちの二神である。
福井神と綱長井神のほかの三座は,生井神(いくい),波比祇神(はひき),阿須波神(あすは)である。
この五座は,かつて平安京大内裏の西院で祀られていた二十三座に含まれるきわめて重要な神(官幣大社)である。宮殿の井水を守る神である。
豊臣秀吉の聚楽第の中にあり,文禄五年(1596)の聚楽第破却後に現在地に移転したと伝えるが,天正二年(1574)の「洛中洛外図屏風」にはすでに現在地に福長神社が描かれているという。
福長神社社殿福長神社本殿
天明の大火(1788年)で焼失して以後は小祠として維持されているが,水の神として今も住民によって信仰されている。

(京都府京都市上京区室町通武者小路下ル福長町538)
2018.12.18


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