諸国神社めぐり

岡田國神社(木津川市木津大谷〈きづおおたに〉)

岡田國神社参道入り口
岡田國神社(おかだくにじんじゃ)は,JR(奈良線)木津駅の南700メートル,鹿背山の西麓に鎮座する。
社伝では,斉明天皇五年(659)に生国魂尊を祀ったのが発祥と伝える。
当社は『延喜式』(神名帳)の「岡田國神社」(山城國相樂郡六座の一)の論社である(当社の北東4キロメートル,加茂町大野の勝手神社境内の春日神社を『延喜式』の「岡田神社」とする説もある)。
天慶元年(938),八幡宮が創建された。
平安時代に天神信仰が高まり,当社に菅原道真(天神)が合祀され,以降「天神宮」と呼ばれるようになり,江戸時代までは「天神宮」「木津駅惣社天神社」と称していた。
明治六年(1873)に郷社に列せられ,さらに同十一年(1878),当社が「式内・岡田国神社」であると国に確定され,現社号の「岡田国神社」に改称した。
祭神は生国魂尊,菅原道眞公,仲哀天皇,應神天皇,神功皇后である。

岡田國神社社号標
社号標に「式内郷社 岡田國神社」とある。
岡田國神社社拝殿岡田國神社社本殿
現在の社殿(拝殿,本殿)は,昭和五十八年(1983)に造営されたものである。

岡田國神社旧社殿鳥居
新社殿建築後も旧社殿は残された。
岡田國神社旧社殿
鳥居の奥に旧社殿群が保存されており,京都府の文化財に登録されている。
中央が舞台,両脇が氏子詰所2棟,奥に拝殿と本殿2棟がある。
拝殿は元和六年(1620)の建立,本殿が安永三年(1774)の再建,氏子詰所が明治四十年(1907)の改築,舞台が明治四十三年(1910)の改築である。
岡田國神社旧本殿岡田國神社旧本殿
春日造の旧本殿が並んでいる。右が生国魂尊と菅原道眞公を,左が仲哀天皇,應神天皇,神功皇后を祀っていた。
岡田國神社摂社
左(北)の隅に恵美須神社と水谷神社がある。
ほかに白太夫神社,厳島神社,八王子神社,天王神社,日出神社があるというが,未確認。

(京都府木津川市木津大谷105)
2018.11.14


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