諸国神社めぐり

御霊神社(京都市上京区上御霊竪町〈かみごりょうたてまち〉)

御霊神社社頭
御霊神社(ごりょうじんじゃ)は,烏丸通の鞍馬口交差点の南東150メートルに鎮座する。一般に「上御霊神社」(かみごりょうじんじゃ)と呼ばれている。
『延喜式』(神名帳)の「出雲高野神社」,また「出雲井於神社」の論社である。
社記によると,謀反の罪によって配流となり憤死した早良親王の鎮魂のため,延暦十三年(794)にその神霊を現在地に祀ったのが当社の起源である。
その後,非業の死を遂げた人々の怨霊を鎮めるために,貞観五年(863)に御霊会がおこなわれた。
「八所御霊」と総称される現在の祭神は,崇道天皇(早良親王),井上大皇后,他戸親王,藤原大夫人(広嗣),橘大夫(逸勢),文大夫(文屋宮田麿),火雷神(菅原道真?),吉備大臣(真備)の八座である。
また相殿に,三社明神四座(小倉実起,小倉公連,中納言典侍局,小倉季伴)と和光明神(菅原和子)を祀る。
明治期に府社に列せられた。
なお当社の境内で,応仁の乱のきっかけとなった畠山政長と畠山義就の私闘がおこなわれた(1467年)。

御霊神社舞殿
鳥居の先に舞殿があり,その奥に拝殿が見える。
御霊神社拝殿御霊神社拝殿内部
拝殿の奥で,狛犬と随身が本殿を守護している。
御霊神社本殿
本殿(背後から)。
本殿は賢所(宮中で天照大神を祀る御殿)の寄進によって造営されるならわしで,現在のものは,享保十八年(1733)寄進の賢所を復元したものであるという(昭和四十五年竣工)。

当社の境内にはたいへん多くの神社が祀られている。
御霊神社境内厳島神社
境内の厳島神社。
御霊神社境内神明社御霊神社境内神明社社殿
神明神社には内宮と外宮が祀られている。
御霊神社境内神明社
長宮三十社には三十座(春原社,荒神社,稲葉神社,今宮神社,熊野神社,愛宕神社,熱田神社,多賀社,厳嶋神社,猿田彦社,貴布禰社,丹羽神社,梅宮神社,八坂神社,廣田神社,吉田神社,日吉神社,住吉神社,龍田神社,廣瀬神社,大和神社,石上神社,大神社,大原神社,平野神社,春日神社,松尾神社,八幡神社,賀茂神社,鴨神社)が祀られている。
御霊神社境内大舞社御霊神社境内天満宮,多度神社,貴舩社
花御所八幡宮,白髭社,疫除社,淡嶋神社,大舞社,天満宮,多度神社,貴舩社,福壽稲荷神社などの社殿もある。

(京都市上京区上御霊竪町495)
2016.12.13


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