配志和神社(はいしわじんじゃ)は,JR(東北本線)一ノ関駅の北西2.2キロメートル,蘭梅山(らんばいさん,150.5m)の中腹,館(たて)地区に鎮座する。
『延喜式』(神名帳)に,陸奥国の磐井郡二座の一として載せる古社である。
社伝によれば,景行天皇の二十四年,日本武尊が東夷征伐の途次,この地に立ち寄り,山頂に三神を祀ったのが発祥である。その山を天磐座と称し,社を「火石輪(ほしわ)」と称したと伝えられる。
境内の案内板によると,現社号に改めたのは延長五年(927)で,中世に山頂から現在地に移転したという。
応仁以降,荒廃したが,慶長六年(1601)に再興されて伊達家の崇敬を受けたと伝える。
かつて「始輪大明神」「穂志波社梅森明神」「蘭梅明神(梅の宮)」「刃蔵社」とも呼ばれた。
祭神は,日本武尊が祀ったと伝える高皇産霊尊,瓊瓊杵尊,木花開耶姫命の三柱である。
明治八年に県社(磐井県)に列し,明治九年に岩手県となってから郷社となった。
県道(一関平泉線)沿いに最初の鳥居がある。
社殿まで一直線の長い参道が続く。
途中に石祠や石塔が集められた一画がある。
本殿は養和元年(1181),拝殿は正徳元年(1711)の改築と伝えるが,現在の社殿は江戸期のものである。
一関市の有形文化財に指定(1986年)されている。
拝殿の背後の一段高い所に本殿(入母屋造,鉄板葺き)が建つ。
本社のほか,境内には天神社,日吉神社,浅間神社,神明宮などが祀られている。
(岩手県一関市山目館)
2020.9.27