諸国神社めぐり

胡四王神社(花巻市矢沢〈やさわ〉)

胡四王山
胡四王神社(こしおうじんじゃ)は,JR(東北新幹線)新花巻駅の西南西1.3キロメートル,胡四王山(こしおうざん)の山頂に鎮座する。
大同二年(802),蝦夷平定に向かう坂上田村麻呂がここに宿営し,武運長久と無病息災を祈願し,所持していた薬師如来像を祀ったのが当社の創建と伝える。
鎌倉時代以降は繁栄し,医王山胡四王寺(天台宗)として末寺十八寺を擁したという。
天文年間(1532-1555)に火災に遭って衰微したが,安土桃山時代以降に当地を支配した南部氏の元でふたたび栄えた。
文化十五年(1818),本尊の薬師如来を大己貴命と少彦名命に代え,社号を「矢沢神社」とした。
明治六年(1873)に郷社に列せられた。昭和二十九年(1954),現社号に改称した。
胡四王神社一ノ鳥居
胡四王神社二ノ鳥居胡四王神社三ノ鳥居
朱の鳥居の先は,かなり傾斜のある参道が400メートルほど続く。上り詰めたところにさらに鳥居がある。
花巻市の胡四王神社社殿
社殿は北東を向く。
花巻市の胡四王神社拝殿花巻市の胡四王神社拝殿額
花巻市の胡四王神社拝殿向拝柱彫刻花巻市の胡四王神社拝殿細部花巻市の胡四王神社拝殿脇障子
入母屋造の拝殿は慶応三年(1867)の建築で,棟梁は花巻の二代目高橋勘次郎である。
花巻市の胡四王神社本殿花巻市の胡四王神社本殿細部
本殿は大正元年(1912)の建築である。

花巻市の胡四王神社境内花巻市の胡四王神社からの眺望
胡四王神社の鎮座する場所は,標高わずか183メートルであるが,眺望はいい。はるか先に,岩手県内の最高峰である岩手山(2,038m)が望める。

(花巻市矢沢第3地割160)
2018.6.25


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