諸国神社めぐり

熊野三社(平泉町平泉花立〈ひらいずみはなだて〉)

平泉花立の熊野三社社頭
熊野三社(くまのさんしゃ)はJR(東北本線)平泉駅の北西500メートルに鎮座する。
江刺郡豊田館を本拠地としていた藤原清衡(1056-1128)が,嘉保年間(1094-1096)に平泉に居を移し,五方鎮守総社を建立した。
当社は北方鎮守として創立されたものである。
当社に紀州熊野山から分霊した熊野権現の木像を安置し,末社として子守社と勝手社も祀っていたが,元亀二年(1571)に焼失した。
安政二年(1855),花立山(現在地)に移し仮宮を建て,末社二社を合併して「熊野三社」と改称した。
明治二十四年に仮宮を改築したが,老朽化したため平成二十二年(2010)に改築した。これが現在の社殿である。
現在の祭神は,伊邪那岐命,伊邪那美命,少彦名命(子守社),天忍穂耳命(勝手社)である。
平泉花立の熊野三社社殿平泉花立の熊野三社拝殿の社号額
平泉花立の熊野三社本殿
平成十九年(2007),社殿改築工事の際,藤原氏時代の窯跡(1号窯)が発見された。翌年にも隣接する2基の窯跡(2号窯,3号窯)が確認された。
本殿右手前の,草に覆われた斜面が2号窯と3号窯の跡である。

(岩手県西磐井郡平泉町平泉花立92)
2016.11.29

奥州平泉鎮座 熊野三社(公式サイト)


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