諸国神社めぐり

皇大神宮正宮(伊勢市宇治館町〈うじたちちょう〉)

皇大神宮正宮板垣南御門
皇大神宮(こうたいじんぐう)は,伊勢市駅(JR参宮線)の南東4.3キロメートル,五十鈴川と島路川が合流する場所に鎮座する。
『延喜式』(神名帳)に「大神宮三座」(度會郡五十八座の内の三座)として記載されている。
一般に「伊勢神宮(内宮)」と呼ばれる社域に複数の神社が鎮座するが,この「正宮」が『延喜式』の「大神宮」(おほむかむのみや)である。
『日本書紀』(崇神天皇六年)によれば,宮中で祀っていた天照大神を「神勢を畏れ」別に祀ることとした。
まず崇神天皇の皇女の豊鍬入姫命(とよすきいりひめ)に天照大神を託し,さらに垂仁天皇の二十五年に倭姫命(やまとひめ,垂仁天皇の皇女)に託して祭祀の場所を求めた。
倭姫命は各地を回り,ここ伊勢の地を祭祀の場所と定め,祠を建てた。これが当社の起源である。
祭神の正式の名は天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)である。加えて相殿神二座も祀っているが,天手力男神(あめのたぢからを)と萬幡豊秋津姫命(よろずはたとよあきつひめ)の二柱とする説のほか諸説があり,定まらない。ご神体は八咫鏡(やたのかがみ)だとされている。
皇大神宮正宮板垣北御門
北御門を見上げる。正宮では撮影が禁止されている。

垣の内側の,外からは見ることができない場所に,所管社が三社祀られている。
興玉神(おきたまのかみ),宮比神(みやびのかみ),屋乃波比伎神(やのはひきのかみ)の三座で,いずれも石神とされる。

(三重県伊勢市宇治館町)
2015.9.27


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