諸国神社めぐり

多太神社(川西市平野〈ひらの〉)

多太神社社頭
多太神社(ただじんじゃ)は,能勢電鉄(妙見線)平野駅の南西300メートルに鎮座する。
当社の南西1.3km(川西市多田院多田所町)には同音の多田神社(ただじんじゃ)があり紛らわしいので,当社を「たぶとじんじゃ」と呼ぶこともある。
当社は『延喜式』(神名帳)所載の「多太神社」(摂津国河辺郡七座の一)とされる古社である。中世は「平野明神」と呼ばれた。 太田田根子命(おおたたねこ)の子孫の神人(みわひと)氏がこの地で祖神を祀ったと伝える。
また,平安中期の武将,源満仲(多田満仲)が京都の平野神社から勧請したという伝承がある。しかし源満仲の活動時期は『延喜式』成立より後である。
現在の祭神は日本武尊,大鷦鷯尊,伊弉諾尊,伊弉冉尊の四柱である。
多太神社拝殿

多太神社本殿
覆屋で保護されている本殿(一間社春日造,檜皮葺)は元禄六年(1693年)造営の貴重な建築物で,兵庫県指定文化財である。
多太神社本殿多太神社本殿多太神社本殿
元禄の造営以前の天正六年(1578)にも再建された記録があり,部分的にはその時の部材が残っているようである。

多太神社境内社多太神社境内遥拝所
境内社(春日神社,天照皇大神宮,八幡神社)と磐座。
ほかに稲荷神社や福禄寿(北摂七福神)を祀る小祠などがある。

(兵庫県川西市平野2丁目20-21)
2019.3.9


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