美和神社は,JR(両毛線)桐生駅の北東1キロメートルに鎮座する。
当社は『延喜式』(神名帳)所載の「美和神社」(上野国の山田郡二座の一)に比定される古社である。
社伝によると,崇神天皇の御代,大和御諸山から勧請したとする。
大和の三輪山を祀る氏族によって創立されたと考えられる。
延暦十五年(796)に官社に列せられた。
祭神は大物奇甕玉命と素戔嗚尊である。素戔嗚尊は,明治期に合祀された八坂神社(後述)の祭神である。
本殿は,文化五年(1808)に大破し,その後再建された。
明治四十一年(1908),本町3丁目(当社の南南東400メートル)衆生院に鎮座した八坂神社(素戔嗚尊)を合祀した。
八坂神社の境内に祀られていた思兼神社,機神社,市神母衣輪神社も当社境内に移転した。
神輿蔵は八坂神社の神輿を収蔵するために建てられたもの。
八坂神社の境内社であった八意思兼神社の社殿が独立して建っている。
社殿の右に石祠があるが,これも八坂神社の境内社の機神社あるいは市神母衣輪神社のものであろうか。
琴平神社(社殿の額には「金比羅神社」とある)は美和神社の古い境内社である。
松尾羅神社は明治の末にここに勧請された。
以上の境内社のほか,美和神社社殿と同規模の社殿を持つ西宮神社も祀られている。
(群馬県桐生市宮本町2丁目1-1)
2017.1.25