諸国神社めぐり

熊野奥照神社(弘前市田町〈たまち〉)

弘前市田町の熊野奥照神社社頭
熊野奥照神社(くまのおくてるじんじゃ)は,JR(奥羽本線)弘前駅の北1.6キロメートル,城北公園の南東に鎮座する。
崇神天皇の頃の創建と伝える古社である。
初め中泊町小泊(津軽半島の北端近く)付近に鎮座し,延暦七年(788)に現在地に遷ったという。
征夷大将軍に任じられた坂上田村麻呂が当社に戦勝を祈願したとも伝える。
延暦二十一年(802),桓武天皇が社殿を再建して「高岡神社」と称し,同二十四年(805)に「高岡熊野神社」となった。
津軽氏の崇敬社となった。
明治の神仏分離令により社号を熊野奥照神に改称した。
明治六年(1873)に郷社に列せられ,同十三年(1880),県社に昇格した。
祭神は伊邪那岐神と伊邪那美神である。
弘前市田町の熊野奥照神社拝殿弘前市田町の熊野奥照神社拝殿の額
弘前市田町の熊野奥照神社本殿
拝殿の背後の垣の中に本殿が建っている。
慶長十八年(1613)に津軽信枚公(第二代藩主)が再建した貴重な建造物である。
弘前市田町の熊野奥照神社本殿弘前市田町の熊野奥照神社本殿向拝柱
三間社流造,柿葺である。細部に江戸前期の特色が残るという。

弘前市田町の熊野奥照神社境内社
境内に運輸区神社(左)と稲荷神社(右)が祀られている。

(青森県弘前市田町4丁目)
2017.6.27


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