諸国神社めぐり

岩木山神社(弘前市百沢〈ひゃくざわ〉)

岩木山神社社頭
岩木山神社(いわきやまじんじゃ)は,津軽富士の愛称がある岩木山(1625m)の南東の百沢地区に鎮座する。津軽総鎮守(津軽一の宮)として崇敬を集めている。
当社の信仰の源流は,太古以来の岩木山への信仰にあることは間違いなかろう。
伝承では,宝亀十一年(780),岩木山頂に社殿を創建したのが神社の発祥とされている。
さらに延暦十九年(800)に坂上田村麻呂が再建し,また岩木山北麓の十腰内(とこしない)に下居宮(おりいのみや)を建立したという。
寛治五年(1091)に神託によって現在地に遷座したという。この時は「百沢寺」と称した。
天正十七年(1589)に岩木山の噴火によって百沢寺は焼失したが,江戸期に弘前藩(津軽氏)によって再建が進んだ。
明治期の神仏分離によって百沢寺は廃され,岩木山神社となり,旧国幣小社に列せられた。
現在の祭神は,顯國魂神,多都比姫神,宇賀能賣売神,大山祇神,坂上刈田麿命である。

岩木山神社参道
参道のはるかかなたに岩木山の山頂が見える。
岩木山神社参道から楼門
長い参道を進むと朱の楼門が見える。寛永五年(1628)の造営である。
岩木山神社楼門
岩木山神社楼門玉垣岩木山神社楼門玉垣狛犬岩木山神社楼門玉垣狛犬
楼門の瑞垣には奇妙な狛犬がある。
岩木山神社中門岩木山神社中門扁額岩木山神社中門彫刻
中門の扁額には「北門鎮護」と書かれている。

岩木山神社拝殿岩木山神社拝殿破風
拝殿は寛永十七年(1640)に完成した。
岩木山神社奥門岩木山神社本殿岩木山神社本殿細部
拝殿と本殿の間に奥門があり,その先に美しい本殿が建っている。元禄七年(1694)の造営である。

岩木山神社禊所岩木山神社境内稲荷神社岩木山神社境内白雲神社
楼門の手前に禊所がある。その奥に末社の稲荷神社と白雲神社が鎮座する。

(青森県弘前市百沢字寺沢)
2017.6.25


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